健康維持の秘訣

健康的な食事をし、中程度の有酸素運動を行い、サプリメントを摂る。

海外出張にもサプリメントは欠かせない

林先生:初めて先生にお目にかかってからかなりの年数が経ちますが、今でも非常にお若いというか、大変エネルギッシュな印象を受けます。先生が心がけている健康の秘訣があれば教えてください。

イグナロ博士:もちろん!(笑)もっとも、林先生もご存じのように、実際はそんなに若くはありません。今年70歳にもなりますから。ただ、身体的には、今も良い状態にあります。つねに健康でありたいと考えていますから、食事にも気を遣って、できるだけ有酸素運動をするようにしています。サプリメントも摂るようにしています。

林先生:世界中をご出張されていますが、滞在先のホテルでお食事をされる機会も多いと思います。食事に気を遣うのは難しくありませんか?

ルイス・J・イグナロ博士

イグナロ博士:ホテルで食事をしなければならないときは、メニューの中で、「一番健康的な食材は何か?」と考え、選ぶようにしています。また、国によってはサプリメントが購入できないこともありますから、海外に出張をするときは必ず持参するようにします。といっても、すべてのサプリを持って行くことはできませんから、最も重要なものだけを選んで持って行くようにしています。具体的にはアルギニン、シトルリン、抗酸化物質、オメガ3系脂肪酸です。空港で荷物のチェックを受ける際、たまにバッグを開けられて、「これは何ですか?」と聞かれることがありますが、「健康に良いですよ。あなたも試しますか?」と言うことにしています(笑)。


運動は誰かと一緒にするのが継続の秘訣

林先生:先生がマラソンをされている写真を何度も拝見していますが、今でもかなりの距離を走っていらっしゃるのですか?

イグナロ博士:運動は、健康維持のため非常に重要なものと考えています。多くの科学者も、運動は健康にも良いと言っています。体に刺激を与えるので、NOの産生を高められます。健康に有益なものですし、とくに心臓によい影響を与えてくれます。 もっとも、若いときから走っていたかというと、そうではありません。初めてマラソンに挑戦したのはなんと64歳のときでしたが、今日までに計14回のマラソン大会に参加しています。だいたい年1回か2回のペースですが、必ず妻や友人たちと一緒に参加しています。運動するときは、誰かと一緒にするほうが楽しいですし、継続できますから。マラソン以外にロードバイク(自転車)も行っています。 誤解がないようにお断りしておきますが、運動といっても、私のようにマラソンをやれと言っているわけではありません。毎日20分~30分程度の有酸素運動を行うことが大事です。かなりの高齢者でしたら、さらに時間を減らしていただいて構いません。

健康的なライフスタイルを築く3つの方法

林先生:これから先生の健康法を実践したいと思っている人には、どんなアドバイスをされますか?

イグナロ博士:健康法には実にさまざまなものがあり、アドバイスの仕方もいろいろあるかと思います。当り前のようですが、「健康的なライフスタイルを築く」ことが重要です。そのためには、ふだんから次の3つのことを心掛けることが大切だと思っています。 まずは健康的な食事をすること。2番目としては、実はこれが一番難しいのですが、中程度の有酸素運動を行うこと。そして3番目がサプリメントを摂ること。国によっては呼び名が違い、栄養補助食品、機能性食品と呼ばれる場合もあります。そうしたものを必ず摂取するということです。 では、健康的な食事とは具体的に何を指すのかと言いますと、魚をたくさん食べる、フルーツや野菜を多く摂取することです。本来、お寿司等も含めた日本の伝統食は、世界で最も健康的な食事ではないかと思います。だから私は日本が好きで何回も訪れています(笑)。できるだけ牛肉などの肉類、飽和脂肪食品は避けるようにします。パッケージ化された調理済み食品も避け、新鮮なものを食することが大事です。 今あげた3つの要素のうち、2番目の運動に関しては、「イグナロ先生、時間がないので、運動することができません」とよく言われます。そうした時は、「私は非常に多忙な大学教授で、ノーベル賞の受賞者です。海外出張も大変多いけれど、毎日1、2時間くらいは運動していますよ」と相手にお説教をすることにしています(笑)。

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